空き家を高く売る7つのコツ【2026年】
空き家を高く売るには、売却価格だけでなく「最終的に手元に残る金額」を意識することが重要です。査定前の準備、売却方法の選び方、税制優遇の確認によって、手取り額が変わる可能性があります。
特に空き家は、築年数の経過や管理状態の悪化によって評価が下がりやすい不動産です。早めに複数社へ査定を依頼し、仲介・買取・古家付き土地・解体後売却のどれが適しているか比較しましょう。
空き家を高く売るには「手取り額」で考える
空き家を高く売る基本は、売却価格ではなく「手取り額」を最大化することです。査定額が高く見えても、解体費や残置物処分費、税金などを差し引くと、実際の手取りが少なくなる場合があります。
売却価格ではなく手取り額を最大化する
空き家売却では、次のような費用が手取り額に影響します。
| 主な費用 | 内容 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 仲介で売却が成立した際に不動産会社へ支払う費用 |
| 解体費 | 建物を取り壊して更地にする場合の費用 |
| 測量費 | 境界確定や土地面積の確認にかかる費用 |
| 残置物処分費 | 家具・家電・生活用品などの撤去費用 |
| 譲渡所得税 | 売却益が出た場合にかかる税金 |
たとえば高い価格で売れても、解体費や測量費が大きければ手取りは減ります。反対に売却価格はやや低くても、現況のまま売れる買取のほうが手取りや手間の面で有利になるケースもあります。
空き家は放置期間が長いほど不利になりやすい
空き家は放置期間が長くなるほど、雨漏り、カビ、シロアリ、設備劣化などが進みやすくなります。管理状態が悪いと査定額が下がるだけでなく、買主から値下げ交渉を受ける原因にもなります。
総務省「住宅・土地統計調査」では、空き家の増加が継続的な課題として示されています。地域によっては買主の選択肢が多く、状態の悪い空き家は競争力を失いやすいため注意が必要です。
「高く売る」と「早く売る」のバランスを考える
仲介は高値を狙いやすい一方、売却までに時間がかかる傾向があります。買取は価格が下がりやすいものの、早く現金化しやすく、管理費や固定資産税の負担を早期に止めやすい方法です。
高く売ることだけを優先して売却期間が長引くと、維持費や修繕費が増える可能性があります。価格・スピード・費用・契約リスクを総合的に比較しましょう。
空き家を高く売る7つのコツ
空き家を高く売るには、査定前の準備が大切です。大がかりな工事よりも、比較・整理・情報収集を優先すると、費用を抑えながら評価を高めやすくなります。
1. 複数の不動産会社に査定を依頼する
査定は1社だけで決めず、3社以上を目安に比較しましょう。会社によって得意なエリア、販売戦略、想定する買主が異なるため、査定額に差が出ることがあります。
特に空き家は、仲介が得意な会社、買取に強い会社、再建築不可物件を扱う会社などで評価が分かれます。複数社の意見を聞くことで、適切な売却方法を判断しやすくなります。
2. 不用品・残置物を整理して印象を良くする
室内に家具や生活用品が多く残っていると、買主が広さや状態を確認しにくくなります。すべて撤去できなくても、通路や水回り、主要な部屋だけでも整理しておくと印象が良くなります。
ただし、遺品整理や大型家具の処分には費用がかかります。買取会社によっては残置物ありで買い取れる場合もあるため、処分前に相談すると無駄な出費を避けやすくなります。
3. 最低限の清掃・換気・草刈りを行う
査定前には、玄関、キッチン、浴室、トイレなどを簡単に清掃しましょう。長期間閉め切った空き家は臭いや湿気がこもりやすいため、換気も有効です。
庭木や雑草が伸びている場合は、外観の印象を下げる要因になります。草刈りや郵便物の整理など、少ない費用でできる管理から始めるのがおすすめです。
4. 登記簿・測量図・建築確認書などを準備する
書類がそろっていると、不動産会社が正確に査定しやすくなります。主な確認書類は次のとおりです。
- 登記事項証明書
- 公図・地積測量図
- 建築確認済証・検査済証
- 固定資産税納税通知書
- 購入時の売買契約書
- リフォーム履歴が分かる資料
相続した空き家では、相続登記が済んでいるかも重要です。相続登記の義務化については法務省の情報を確認し、必要に応じて司法書士へ相談しましょう。
5. 周辺の成約相場を調べておく
相場を知らずに売り出すと、高すぎて売れ残ったり、安く売りすぎたりする可能性があります。国土交通省「不動産情報ライブラリ」などで、周辺の取引事例を確認しておきましょう。
ただし、不動産は接道状況、土地形状、建物状態、再建築の可否で価格が大きく変わります。相場は目安として使い、最終的には不動産会社の査定根拠と照らし合わせることが大切です。
6. 売却しやすい時期を見極める
住宅需要は、転勤や進学前の春前、住み替えが動きやすい秋口に活発になる傾向があります。空き家の場合も、買主が動きやすい時期に売り出すことで問い合わせが増える可能性があります。
一方で、地方の空き家や投資向け物件は季節よりも地域需要の影響が大きいこともあります。売却時期は地域の不動産会社に相談して判断しましょう。
7. 税制優遇を確認して手取りを増やす
相続した空き家では、条件を満たすと「相続空き家の3,000万円特別控除」を使える場合があります。譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度で、手取り額に大きく影響します。
ただし、適用要件や期限は細かく、改正されることもあります。国税庁の最新情報を確認し、税理士や税務署へ相談してください。
複数社査定で高く売るための比較ポイント

複数社査定では、査定額の高さだけでなく「なぜその価格なのか」を確認することが重要です。根拠の薄い高額査定に飛びつくと、売却期間が長引く可能性があります。
査定額が高い会社が最適とは限らない
不動産会社の査定額は、必ずその価格で売れる保証ではありません。売主の期待を集めるために高めの査定を提示し、後から値下げを提案されるケースもあります。
大切なのは、売り出し価格と成約予想価格を分けて説明してくれるかです。高く売る戦略があるのか、単に高い数字を出しているだけなのかを見極めましょう。
査定根拠と成約事例を必ず確認する
査定を受けたら、次の点を質問してください。
- 近隣の成約事例はいくらか
- どの買主層を想定しているか
- 建物を評価するのか、土地として評価するのか
- 売却までの想定期間はどれくらいか
- 値下げのタイミングをどう考えているか
成約事例に基づく説明があれば、価格の妥当性を判断しやすくなります。逆に、根拠があいまいな場合は慎重に検討しましょう。
空き家売却に強い会社を見極める質問例
空き家は通常の中古住宅よりも、管理状態や法的条件の確認が重要です。以下のような質問をすると、担当者の経験を見極めやすくなります。
- 空き家や古家付き土地の売却実績はありますか
- 残置物ありでも売却できますか
- 再建築不可や接道不良の物件を扱った経験はありますか
- 買取と仲介の両方を比較できますか
- 解体すべきか現況売却すべきか提案できますか
回答が具体的な会社ほど、実務に慣れている可能性があります。
一括査定を使う場合の注意点
一括査定サイトは、複数社へまとめて依頼できる便利な方法です。ただし、依頼後に複数の会社から連絡が来るため、対応できる範囲で利用しましょう。
また、一括査定の結果だけで決めず、訪問査定を受けることも大切です。空き家の状態や周辺環境は、現地を見なければ正確に判断しにくいためです。
仲介・買取・古家付き土地のどれが高く売れる?
時間をかけて高値を狙うなら仲介、早く確実に売るなら買取が選択肢になります。建物の価値が低い場合は、古家付き土地として売る方法も検討しましょう。
仲介は高値を狙いやすいが時間がかかる
仲介は、不動産会社が買主を探して市場価格に近い価格で売却を目指す方法です。買主が見つかれば、買取より高く売れる可能性があります。
一方で、売却まで数か月以上かかることもあり、内見対応や価格交渉が必要です。老朽化が進んだ空き家では、買主が住宅ローンを利用しにくい場合もあります。
買取は価格が下がりやすいが早く現金化しやすい
買取は、不動産会社や買取業者が直接買い取る方法です。仲介より価格は下がりやすいものの、早期売却しやすく、残置物ありや現況のまま相談できる場合があります。
また、契約不適合責任の負担を抑えやすいケースもあります。契約不適合責任とは、売却後に契約内容と異なる不具合が見つかった場合の売主責任のことです。条件は契約により異なるため、必ず不動産会社や専門家に確認してください。
古家付き土地として売る選択肢
建物の価値が低い場合でも、土地に価値があれば「古家付き土地」として売却できます。買主が自分で解体やリフォームを判断できるため、売主が先に解体費を負担しなくてよい点がメリットです。
ただし、建物の老朽化が著しいと敬遠されることもあります。現況売却と更地売却の両方で査定を取り、手取り額を比較しましょう。
再建築不可物件は専門会社の査定も検討する
再建築不可とは、現在の建物を解体すると原則として新しい建物を建てられない土地のことです。接道義務を満たしていない場合などに該当し、買主が限定されるため価格は下がりやすくなります。
ただし、投資家や専門買取会社が購入する可能性はあります。再建築の可否は自治体や専門家の確認が必要なため、自己判断せず相談しましょう。
解体して更地にすべきかは費用対効果で判断する
更地にすると買主が土地利用をイメージしやすくなる一方、解体費がかかります。また、住宅用地特例が外れると固定資産税が上がる可能性があります。
解体すべきかは、売却価格の上昇分と解体費、税負担を比較して判断しましょう。解体前に「現況」「古家付き土地」「更地」の3パターンで査定を取ると安心です。
査定額を下げないために確認すべき空き家の状態

空き家の状態は査定額に直結します。特に雨漏り、シロアリ、傾き、接道条件、境界の有無は、買主の判断に大きく影響します。
雨漏り・シロアリ・傾きは価格に影響しやすい
雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きは修繕費が大きくなりやすく、価格交渉の材料になります。分かる範囲で状態を確認し、査定時に正直に伝えましょう。
不具合を隠すと、売却後のトラブルにつながるおそれがあります。必要に応じて建物状況調査を検討するのも一つの方法です。
境界未確定や接道条件は事前に確認する
土地の境界があいまいな場合、買主が不安を感じやすくなります。測量図や境界標の有無を確認し、必要であれば土地家屋調査士に相談しましょう。
また、道路にどのように接しているかも重要です。接道条件によって再建築の可否が変わるため、自治体や不動産会社に確認してください。
特定空家とは?指定される前に売却を検討する
特定空家とは、倒壊のおそれや衛生上の問題などがあるとして自治体が指定する管理不全な空き家です。国土交通省や自治体の情報では、管理不全空家・特定空家に対する指導や勧告の制度が示されています。
指定や勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例に影響する可能性があります。状態が悪化する前に、売却や管理方法を検討しましょう。
告知すべき不具合は隠さない
雨漏り、白アリ被害、過去の事故、近隣トラブルなど、買主の判断に影響する事情は告知が必要になる場合があります。隠して売却すると、契約解除や損害賠償などの問題につながる可能性があります。
告知範囲は個別事情で異なるため、不動産会社や弁護士など専門家へ確認しましょう。
空き家を高く売りやすいタイミング
空き家は、需要がある時期と劣化が進む前のタイミングを意識して売却することが大切です。相続や税制特例に期限がある場合は、早めに準備しましょう。
春前・秋口など需要が動きやすい時期を狙う
一般的に、1〜3月は新生活や転勤に向けた需要が動きやすい時期です。9〜10月ごろも住み替え需要が見込まれる場合があります。
ただし、空き家は地域性の影響が大きく、必ずしも季節だけで売れやすさが決まるわけではありません。地域の取引状況を不動産会社に確認しましょう。
築年数が古くなる前に動く
築年数が進むほど、建物価値は下がりやすくなります。特に木造住宅では、管理されていない期間が長いほど傷みが進み、修繕費や解体費を見込まれやすくなります。
「いつか売る」予定があるなら、まず査定だけでも受けて現在の価値を把握することが重要です。
相続した空き家は特例の期限に注意する
相続空き家の3,000万円特別控除など、税制優遇には適用期限や要件があります。売却時期が遅れると、使えるはずの特例を使えない可能性があります。
税制は改正されることがあるため、国税庁の最新情報を確認しましょう。個別事情は税理士や税務署に相談してください。
金利・地域需要・再開発情報も確認する
住宅ローン金利や地域の人口動向、再開発計画も売却価格に影響することがあります。駅周辺の整備、商業施設の開業、道路計画などがある地域では需要が変化する可能性があります。
自治体の都市計画情報や不動産会社の地域情報を確認し、売り時を判断しましょう。
税金・特例を活用して手取りを増やす
税金の確認は、空き家を高く売るうえで欠かせません。売却益が出た場合は譲渡所得税がかかる可能性があり、特例を使えるかどうかで手取りが変わります。
譲渡所得とは?売却益にかかる税金の基本
譲渡所得とは、不動産を売却した利益のことです。一般的には、売却価格から取得費や譲渡費用などを差し引いて計算します。
取得費には購入代金や一部の取得関連費用、譲渡費用には仲介手数料や売却に直接必要な費用などが含まれる場合があります。詳しい計算方法は国税庁の情報を確認してください。
相続空き家の3,000万円特別控除を確認する
相続した空き家では、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる場合があります。対象となる家屋の条件、耐震性、売却期限などが定められています。
要件を一つでも満たさないと適用できない場合があります。売却前に税理士や税務署へ確認することをおすすめします。
取得費・解体費・仲介手数料は記録を残す
税金の計算では、領収書や契約書が重要です。購入時の売買契約書、リフォーム費用、解体費、測量費、仲介手数料などの資料は保管しておきましょう。
書類がないと、取得費や費用として認められる金額が限定される可能性があります。相続物件では古い資料が見つかりにくいため、早めに確認してください。
税理士・自治体・税務署への相談が重要
税金や特例は、所有期間、相続状況、建物状態、売却方法によって扱いが変わります。個別事情により異なるため、税理士・司法書士・不動産業者など専門家へご相談ください。
固定資産税や住宅用地特例については、自治体の担当窓口で確認できます。制度の最新情報は国税庁、総務省、自治体の一次情報を確認しましょう。
空き家を高く売るために避けたいNG行動
空き家を高く売ろうとしても、判断を誤ると手取りが減ることがあります。特に、根拠のない高値設定や自己判断のリフォーム・解体には注意が必要です。
1社だけの査定で売却価格を決める
1社だけの査定では、その価格が高いのか低いのか判断しにくくなります。少なくとも3社以上に依頼し、価格と根拠を比較しましょう。
査定額だけでなく、販売戦略や担当者の説明力も確認することが大切です。
高額リフォームを自己判断で行う
売却前の高額リフォームは、費用を回収できない場合があります。買主が自分好みにリフォームしたいと考えることも多く、売却価格に反映されるとは限りません。
清掃や小修繕にとどめるか、大規模工事を行うかは、不動産会社の意見を聞いて判断しましょう。
更地にすれば高く売れると思い込む
更地は売りやすくなる場合がありますが、必ず高く売れるわけではありません。解体費がかかり、固定資産税の負担が増える可能性もあります。
解体前に複数社から査定を取り、手取り額で比較することが重要です。
不具合や相続関係の問題を後回しにする
雨漏りや境界問題、相続登記の未了などを後回しにすると、契約直前で売却が止まることがあります。買主の不安が強まると、値下げ交渉につながる可能性もあります。
法務・税務・境界の問題は、司法書士、税理士、土地家屋調査士などへ早めに相談しましょう。
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※掲載順は本記事独自の参考評価であり、業者の優劣を断定するものではありません。実際の査定額・契約条件は物件の状況と各業者の判断により異なります。
よくある質問(FAQ)
- 空き家はリフォームしてから売るほうが高く売れますか?
- 必ずしもリフォームしたほうが高く売れるとは限りません。費用をかけても売却価格に十分反映されない場合があるため、まず不動産会社に査定を依頼し、費用対効果を確認しましょう。
- 空き家は解体して更地にしたほうが高く売れますか?
- 建物の老朽化が激しい場合は、更地のほうが売りやすいことがあります。ただし解体費がかかるうえ、固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性もあるため、解体前に査定を受けるのがおすすめです。
- 仲介と買取ではどちらが高く売れますか?
- 一般的には仲介のほうが高値を狙いやすい傾向があります。一方で買取は売却価格が下がりやすいものの、早く売れる、現況のまま相談しやすいなどのメリットがあります。
- 古い空き家でも高く売れる可能性はありますか?
- 建物の価値が低くても、立地や土地の形状、接道条件、再建築の可否によって評価されることがあります。古家付き土地、仲介、買取など複数の売却方法を比較しましょう。
- 再建築不可の空き家は売れますか?
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- 相続した空き家を売ると税金はかかりますか?
- 売却益が出た場合は、譲渡所得税がかかる可能性があります。相続空き家の3,000万円特別控除を使える場合もありますが、要件が細かいため税理士や税務署に確認しましょう。
- 空き家を高く売るために査定は何社に依頼すべきですか?
- 目安として3社以上に依頼すると、価格や売却戦略を比較しやすくなります。査定額だけでなく、根拠、販売計画、担当者の対応も確認することが大切です。
- 遠方にある空き家でも高く売る準備はできますか?
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まとめ
空き家を高く売るには、売却価格ではなく手取り額で判断することが重要です。仲介手数料、解体費、残置物処分費、税金などを含めて比較すると、最適な売却方法を選びやすくなります。
まずは不用品整理、簡易清掃、必要書類の確認、周辺相場の把握を進めましょう。そのうえで3社以上に査定を依頼し、仲介・買取・古家付き土地・更地売却のどれが向いているか比較してください。
税金、相続登記、境界、再建築可否、契約不適合責任などは、判断を誤ると手取り額や契約リスクに影響します。個別事情により異なるため、不動産会社だけでなく、税理士、司法書士、土地家屋調査士、自治体窓口などの専門家へ確認しながら進めましょう。



